パリの地下鉄メトロ 切符の買い方と乗り方

パリの地下鉄メトロ切符の買い方,パリの地下鉄メトロ乗り方,パリの地下鉄メトロガイド

パリの地下鉄メトロとは

パリの地下鉄メトロの路線

パリ市内には、16本の地下鉄路線があり、1番線、2番線、3番線…と路線が番号と色で分かれています。パリ市内の面積は、東京の山手線内とほぼ同じ面積と言われており、その面積の中に16の路線と309の地下鉄の駅があり、パリの交通手段として欠かせない乗り物のひとつです。初めてのパリ旅行の方にとっても案内看板がシンプルで分かりやすく気軽に利用できる公共交通機関として親しまれています。

駅の入口

地下鉄メトロの入口の目印は、METRO(メトロ)の頭文字「M」のマークが目印です。中には、19世紀末頃のアール・ヌーヴォーのデザインがそのまま残った駅も少なくありません。またエスカレーター、エレベーターがある駅は少なく、基本的には階段利用となります。最も新しい14番線の駅には、エスカレーターとエレベーターがほぼ全駅にありますが、エレベーターは、車椅子・杖やベビーカーの利用者や障がい者向けに使用されています。また、パリのエスカレーターは右側が止まって利用、左側が歩いて利用するのが通常です。

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地下鉄メトロのきっぷの買い方

きっぷ売り場

きっぷの購入は、基本的にきっぷ自動券売機で購入します。ICカードNavigo Easy(ナビゴ・イージー)の発行購入は係員がいる窓口で行い、初回のチャージのみICカードの発行と同時に窓口で合わせて行うことができますが、2回目以降のチャージは、きっぷ自動券売機で行います。

 Point
 紫色の自動発券機は、ICカードチャージ専用
 クレジットカード(Visa, Master, CB)、現金にて支払いができます
 機種により、クレジットカードのみ利用可な物もあります
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自動発券機での購入手順

① 言語選択

最初に言語を選択します。フランス語の場合は、指のイラスト部分をタッチ。他の言語の場合は、各言語をタッチ。英語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語より選択できます。(画像左)

ICカードのチャージ(左)又は、きっぷ購入(右)を選択します。(画像右)

② きっぷの種類を選択

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  • A:Ticket t+ 切符、きっぷ10枚セット
  • B:Billets Région Île de France 駅指定でパリ郊外行き切符購入
  • C:Billets Aéroports 空港までの切符購入
  • D:Paris Visite パリ・ヴィジット 1~5日フリーパス乗車券
  • E:Mobilis モビリス1日フリーパス乗車券
  • F:Ticket Jeune チケット・ジュンヌ 週末限定1日フリーパス乗車券
  • G:Bon pour Navigo Découverte 簡易定期券ICカード発行クーポン

③ 大人・子供料金を選択

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Plein Tarif 大人料金
T.réduit,cartes de réduction,-10a 10歳未満の子供料金
4歳未満は無料。種類により子供料金設定がないものもあります。

④ 枚数を選択

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Ticket t+ a l’unite きっぷ
希望の枚数を選択。1~9枚まで購入できます。枚数の下は合計額が表示されています。
Carnet(s) de 10 ticket t+ カルネきっぷ10枚セット
希望のセット数を選択。2セットまで購入できます。「1」=きっぷ10枚、「2」=きっぷ20枚。セット数の下は合計額が表示されています。

⑤ 購入決定

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確認画面で購入内容と合計金額を確認して画面下部分のボタンを選択。(画像左)
 Valider 購入決定
 Ajouter un achat 他の切符を続けて買う。
購入を決定すると支払い方法画面に切り変わります。

⑥ 支払い

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支払いはクレジットカード(Visa、Master、CB)又は現金にて支払いします。クレジットカードはタッチ決済可。カードを差し込む場合は4桁の暗証番号の入力が必要です。
 aコイン投入口
 b紙幣差込口
 cクレジットカード差し込み+暗証番号入力
 dクレジットカード・タッチ決済

知っておきたい機能

(画像a) 待ち画面。切符印刷中や、次の画面へ切り替わる間に表示されます。

(画像b) 手順②番以降より毎画面表示されます。常に画面最下部に表示。
 赤色のバツ Tout annuler 全てキャンセル。最初の画面に戻ります。
 黄色の矢印 Retour en arrière 一つ前の画面に戻ります。

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地下鉄メトロの乗り方

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改札は、切符を通すか、紫色の丸いリーダーにICカードをタッチして通ります。改札の種類は複数あり、回転レバーを回しながらドアを押す改札、回転レバーだけの改札、自動ドアの改札があります。

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路線は①~⑭番線まであり、構内では路線番号と行き先方向の終電駅名を確認。終電駅名=方面となります。ホームの手前には、電車が停まる全ての駅名が明記されている路線図が必ずあります。ホームでは、路線番号と終電駅名(=方面)の表示があります。

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乗換えは、路線番号と矢印の案内看板に従い進めば、乗換えホームに到着できます。出口看板は青+白字で「Sortie 出口」で、出口番号と出口の通り名が一緒に明記されています。

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出口は切符を入れる改札はありません。自動ドア又は手押しドアから出ます。使用済みの切符は回収されないので、自分で処理をします。後で未使用、使用済みの切符が混乱しないように気を付けましょう。

日本の電車との違い・パリの地下鉄メトロの特徴

電車の進行方向は「右」

パリの地下鉄の電車の進行方向は右です。電車の中ですれ違う電車は左側に見えます。日本の電車の進行方向は左なので、日本とは逆の進行方向となります。ホームに入ってくる電車が日本とは逆の方向なので、少し違和感があるかもしれません。

通路・エスカレーターでの追い越しは「左」

日本の大都市と同じように、エスカレーターでは急いでいる人に対して通路を譲る暗黙マナーがあります。エスカレーターを止まって利用する人は右側を利用し、歩いて利用する人は左側を利用します。大阪と同じですね。通路でも同様に急いでいる人は、左側から追い越していきます。これはフランスの左側追い越しの道路ルールから由来しており、日本とは逆となります。ただ、通勤ラッシュなどの混雑する時間帯以外は、さほど気にすることもありません。

エスカレーター、エレベーターが少ない

駅構内の移動は基本、階段となります。エレベーター、エスカレーターの設備は少なく、スーツケースなど大きな荷物を持っての移動は少し大変かもしれません。最も新しい14番線の駅や一部の大きな駅には、エレベーターがありますが、車椅子・杖やベビーカーの利用者や障がい者向けに使用されています。

構内アナウンスがない、車内アナウンスが少ない

次の電車の駅構内アナウンスは基本ありません。案内表示で自分で確認する必要があります。また、車内アナウンスもほとんどなく「次は○○○駅です」「この電車は○○○行きです」といった車内アナウンスは、一部の路線を除きありません。車内ドアの上にある路線図で次の停車駅を確認するか、各駅ホームにある駅名看板を窓から覗いて確認します。

スリ・ひったくりに注意

改札、ホーム、車内など、メトロ駅構内や車内には、場所に限らずスリ・ひったくりがいます。特に利用客が多いラッシュ時間帯や観光名所の最寄り駅では、多くの人々が被害に遭っています。犯人は、成人に限らず10代前半の未成年など、ほぼ子供のような年齢の子もいます。 持ち物にはくれぐれも注意してください。

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被害の例
  • 改札: 改札口に切符を通すために立ち止まった一瞬の間に、後からリュックやカバンの中から貴重品をすり抜く。
  • 構内: エスカレーターで背後からバックの中の財布をすり抜く。
  • ホーム: 電車乗車時に並んでいる間、バックの中から財布を抜き取る。
  • 車内: ドア上の路線図表を夢中で見ている間にバックの中から財布を抜き取る。
  • 車内: ホーム停車中にドア付近でスマホを使っていたら、ドアが閉まる直前にスマホをひったくりそのままホームへ逃走
スリ対策

メトロでのスリ・ひったくり被害は、背後からカバンの中の貴重品を抜き取るケースが多く、その場で盗まれたことに気が付かない被害者もいます。
小さなショルダーバッグを、まるごとひったくられたという女性の被害者や、スマホ・タブレットを操作中に力尽くでひったくりそのまま逃走するケースもあります。メトロに限らず外出時は、常にカバンや貴重品には注意をしてください。

  • バックの口を必ず閉め、体の前に持つ。人ごみの中や知らない人と正面で話す際は、バックに手を当てるなどして警戒をする。
  • 財布、携帯などの貴重品は、出し入れのしやすい場所に収納しがちですが、スリが最も狙いやすい標的となります。これらの貴重品は他人に分かりにくい場所や、出し入れの不便な場所にしまいましょう。
  • スマホ、タブレット、カメラなどは、必要時以外はしまっておく。
  • 万が一、被害に遭ってしまっても被害を最小におさえるために、分散して持ち歩く。