EU加盟国以外に住む旅行者がEU加盟国で1日1軒で総額100ユーロ以上の買物をした場合、13~18.6%の付加価値税が免除され、払い戻しが受けられます。EUに加盟している最後の滞在国を出国する前に免税手続き申請を行います。フランスがEU加盟国最後の滞在国となる方は、フランスで免税手続き申請を行います。免税手続きは、一見難しそうに見えますが、手順さえ把握しておけば手続き自体はとても簡単です。
免税手続きに必要なもの
- 免税手続き用紙 1枚 | 1枚だけのもの、2枚又は3枚と紙の色が異なる写しがあるタイプがあります。1枚目が原本、2枚目以降は控え用。レシートと一体化したタイプもあります。免税用紙の正式名は、輸出販売明細書 (bordereaux de vente à l’exportation – BVE)
- 免税用封筒 1枚 | 「Detaxe」又は「Tax Free」のロゴマークと宛先が印刷された免税専用封筒。免税手続き用紙と封筒と一体化したタイプもあります。
- パスポート | 免税を行う本人のパスポート。免税用紙とパスポートの姓名が一致していることが条件のため、家族のパスポートは無効。
- 帰国の航空券Eチケット | 帰国の航空券は、EU加盟国から出国する証明となります。パスポート同様、免税を行う本人のものが必要です。搭乗手続き(チェックイン)を行った後に免税手続きする場合や乗換え時に行う場合は、搭乗券(ボーディングパス)の提示にて代用できます。
- 免税対象となる購入商品 | 免税対象となる購入商品を税関係員が確認することがあります。商品の現物チェックは必ずしも行われるものではありませんが、偽物が出回りやすいブランド品や高額な商品は、現物チェックの対象になることが多いようです。購入商品は未使用で新品であることが原則です。タグやチケットが無く使用した状態と判断された場合は免税対象外となります。
参考 | フランス免税手続きの仕方と順序1 書類作成手順と準備、EU加盟ヨーロッパ免税の基本知識ガイド
免税手続きの手順と方法
免税は、まず「手続き」となる申請を行い、その後「払い戻し」のための作業をおこないます。免税手続き申請は、「Pablo(パブロ)」と言われる免税機を使って行う方法と、免税窓口にて係員に書類を提示する方法があります。また、商品によっては、税関係員による確認が必要な物もあり、免税機で手続き後に、機械画面の指示にて免税窓口での検査を行うこともあります。免税手続きは、基本的に日本帰国前となるEUに加盟している最後の滞在国の空港で行います。空港で免税手続きを行う場合は、フライト出発時間の2時間半前を目安に空港に到着するようにしてください。
- 日本帰国の際にEUに加盟している最後の滞在国の空港で免税手続きを行う。
- 免税は、まず免税の手続き申請を行い、そのあと、払い戻しの作業を行い完了となる。
- 免税手続きの期限は、購入日の3ヵ月後の月末まで。
- 購入商品の現物を税関係員がチェックする場合があるので、 荷物を預ける前に行うのが原則。
免税機 Pablo(パブロ)で手続きを行う
免税用紙に「Pablo」のロゴとバーコードがあるものは免税機Pablo(パブロ)で、免税手続きを行うことができます。Pabloは日本語に対応しており手順も簡単、混雑も少なくスムーズに手続きが完了できます。
免税機Pablo での免税手続き手順
- 免税用紙にPablo対応のPabloロゴとバーコードがあるか確認します。
- Pablo最初の画面で言語を選択。日本語もあります。
- 免税用紙の上部にあるバーコードを機械の読み取りセンサーにかざします。電子免税の方は、スマホ画面でコードをかざしスキャンします。
- 税関の認証結果が表示 | 免税が認められると緑の画面で「OK 認証済 免税証」と表示されます。免税が認められなかった場合は赤い画面となり表示される内容の指示に従います。赤い画面となる理由は、係員による確認が必要な品であることが大半です。その場合は、係員がいる窓口で免税手続きを再度行います。
- 認証後にレシートやスタンプなどの発行はありません。画面のみでの確認となりますので、画面の見逃しに注意してください。
窓口で免税手続きを行う
窓口での免税手続き手順
- 免税手続きに必要なものを係員に提示する。提示するものは、免税手続き用紙、パスポート、帰国の航空券Eチケット。
- 係員に「商品現物を見せてください」と言われたら購入した商品を見せます。商品はすぐに取り出しができるように準備しておくとスムーズです。
- 係員が免税手続き用紙1枚目に免税印スタンプを押して返却します。返却された際に、必ず用紙にスタンプが押されているか確認をしましょう。
還付金の払い戻し手続き
払い戻し方法は、クレジットカード又はユーロでの現金にて還付金の受取りができます。クレジットカードでの払い戻しを希望の場合は、買い物をしたお店で免税手続き書類を作成してもらう際にその旨を店員に伝えてください。ユーロ現金での受け取りを希望の場合は、基本的に空港内ある払い戻しカウンターで手続きを行いキャッシュバックを受取ります。
参考 | フランス免税手続きの仕方と順序1 書類作成手順と準備、EU加盟ヨーロッパ免税の基本知識ガイド
クレジットカードでの払い戻し手続き
- 免税が認証された免税手続き用紙に払い戻し先となるクレジットカード番号が明記されているか確認します。
- 免税手続き用紙1枚目を免税用封筒に入れます。免税が複数ある場合は、免税用紙の封筒の入れ違いに注意してください。免税を作成したお店により封筒の宛名が異なります。
- 免税手続き用紙2枚目以降は控えとなるので自身で保管。封筒に入っているその他の書類は不要なので、封筒の封を閉める前に出してください。
- 免税用ポストへ投函。「VAT Refund Drop Off Box」と書かれた専用ポストへ投函します。ポストは免税窓口や免税機Pabloの近くに設置されています。
- 2~3ヶ月後を目安にクレジットカード会社経由で銀行口座に払い戻しの振り込みがおこなわれます。
ポストへの投函は、免税用封筒に入れた免税手続き用紙1枚のみとなります。投函に切手は不要です。免税手続き用紙の2枚目以降は控えとなるので、払い戻しが完了するまでは保管をしてください。払い戻しは、13~18.6%程度で、そこから銀行手数料などが引かれ払い戻しされます。またその時の為替レートにより変動があります。
ユーロ現金での払い戻し手続き
- パリの空港の場合は Travelex (ChangeGroup) または Cash Parisの払い戻しカウンターで、還付分を現金で受け取ることができます。
- 免税が認証された免税手続き用紙とパスポートをカウンターにて係員に提示します。
- 払い戻し額がユーロ現金で渡されます。払い戻し額は13~18.6%程度で、そこから1件につき4ユーロ程度の手数料が引かれます。
Travelexがあるターミナル シャルル ド ゴール空港 | ターミナル 2D、2F、ターミナル 3 オルリー空港 | ターミナル 1、3
Cash Parisがあるターミナル シャルル ド ゴール空港の各ターミナルの出国手続きセキュリティチェック後 | ・2AC DutyFreeエリア ・2E ホールK ・2E ホールLのBuyParisDutyFree付近 ・2E ホールMのBuyParisDutyFreeとパン屋Paulの間 オルリー空港 | ・ターミナル4 出発エリア セキュリティーチェック前
免税手続きができるパリの空港ターミナル
シャル ル ドゴール空港
- ターミナル1 | CDGVAL階(一番下の階)ホール6
- ターミナル2A | 出発階 出口5番付近
- ターミナル2C | 出発階 出口12番付近
- ターミナル2D | 出発階 出口6番付近
- ターミナル2E | 出発階 出口4番付近
- ターミナル2F | 到着階 到着ゲート横
- ターミナル3 | 到着階
オルリー空港
- ターミナル1-2 | 到着エリア 2
- ターミナル4 | 出発エリア 4
パリの空港以外での免税、複数の国を旅行する場合
フランスから他のヨーロッパ国に旅行する時
免税の手続きは、EU加盟国内の帰路の空港で行います。ヨーロッパの複数の国を旅行する場合は、EU加盟国のどこの国でも手続きができます。例えば、フランス→イタリアに旅行する場合は、最後EUを離れる前のイタリアの空港で、フランス分もイタリア分もまとめて手続きができます。ただし、乗り換えのみの空港利用でEU加盟国の空港を利用する場合は、乗り換えフロアに免税手続きカウンターがないターミナルや、乗り換え時間が短いことがあるので、EU加盟国の最後の旅行滞在都市で搭乗前までに手続きを完了させてください。また、フランスとの組み合わせで旅行する機会が多いイギリスとスイスはEU加盟国ではありませんので免税のタイミングに注意が必要です。
フランスからイギリスに行き、日本へ帰国する
フランスからイギリスに行き、その後イギリスから日本に帰国する場合は、フランスを離れる前までに免税手続きを済ませる必要があります。
- 飛行機 | フランスの空港で手続きを行うことができます。
- 電車 | 電車ユーロスターを利用してイギリスに行く場合は、ユーロスターの発着駅であるパリ北駅(Gare du Nord)に免税機Pabloが設置されているので、そこで手続きができます。
- 船 | フランス側の港Calais カレー、Dunkerque ダンケルクに免税機Pabloがあります。
フランスからスイスに行く場合
フランスからスイスに行き、スイスから日本に帰国する場合は、フランスで免税手続きを行う必要があります。但し、フランスからスイスへ入り、その後ドイツやイタリアなどに渡る場合は、最後のEU加盟国となる国(ドイツやイタリア)にて、フランス分の免税手続も行うことができます。
- 飛行機 | フランスの空港で手続きを行うことができます。またジュネーブ空港のフランス税関エリアに免税機Pabloがあります。
- 電車 | フランスからの電車が乗り入れするジュネーブ・コルナヴァン駅(Genève-Cornavin)に免税機Pabloが設置されています。また、アルプス沿いの国鉄Moutiers Salins駅、Bourg Saint Maurice駅にも免税機Pabloがあります。
- 車 | 74163 St Julien en Genevois、74240 Gaillard、01206 Ferney-Voltaireの国境・税関エリア に免税機Pabloがあります。
パリの空港以外で免税手続きができる場所
パリの空港以外の場所にも、ヨーロッパ線を含む国際便が発着する空港であれば税関があり、免税手続きを行うことができます。また、地方の空港や港、国境近くの駅や道路に、免税機Pabloが設置されています。免税機Pabloがあっても、還付金を現金で払い戻しできる窓口が近くにない場合が多いので、予めクレジットカードからの返金にしておくとスムーズです。クレジットカードからの返金で、免税機Pablo付近に免税用ポストがない場合は、街中にある通常の郵便ポストに投函してください。
免税機Pabloがあるパリの駅
パリ・北駅 | Gare du Nord | ユーロスターエリア |
マルヌ ラ ヴァレ シェシー駅 | Gare Chessy Marne-la-Vallée | ディズニーランド・パリ最寄り駅 |
免税機Pabloがある地方の駅
リール・ヨーロッパ駅 | Gare Lille Europe | リール |
ムティエ サランブリッド レバン駅 | Gare Moutiers Salins Brides les Bains | ムティエ |
ブール サン モーリス駅 | Gare Bourg Saint Maurice | ブール サン モーリス |
ジュネーブ・コルナヴァン駅 | Gare de Genève Cornavin | ジュネーブ(スイス) |
免税機Pabloがある地方の空港
ストラスブール国際空港 | Aéroport de Strasbourg Entzheim | ストラスブール |
バーゼル・ミュールーズ空港 | Aéroport de Bâle-Mulhouse | ミュルーズ |
リヨン空港 | Aéroport de Lyon-Saint-Exupéry | リヨン |
シャンベリ・サボア・モン・ブラン空港 | Aéroport de Chambéry Savoie | シャンベリー |
グルノーブル・アルプ・イゼール空港 | Aéroport de Grenoble Isère | グルノーブル |
ジュネーヴ国際空港 | Aéroport international de Genève | ジュネーブ(スイス) |
ニース空港 | Aéroport Nice Côte d’Azur | ニース |
マルセイユ空港 | Aéroport Marseille Provence | マルセイユ |
ナント・アトランティック空港 | Aéroport de Nantes Atlantique | ナント |
ボルドー・メリニャック空港 | Aéroport de Mérignac | ボルドー |
ベルジュラック空港 | Aéroport de Bergerac | ベルジュラック |
ビアリッツ空港 | Aéroport de Biarritz | ビアリッツ |
リモージュ空港 | Aéroport de Limoges bellegarde | リモージュ |
カン・カルピケ空港 | Aéroport Caen-Carpiquet | カン |
カルカッソンヌ空港 | Aéroport de Carcassonne | カルカッソンヌ |
モンペリエ メディテラネ空港 | Aéroport de Montpellier Méditerranée | モンペリエ |
ベジエ空港 | Aéroport de Béziers | ベジエ |
ニーム空港 | Aéroport de Nîmes | ニーム |